問わず語りの神田伯山 2026年9月18日放送回
番組概要
『問わず語りの神田伯山』は、TBSラジオで毎週金曜日の21:30 – 22:00(JST)に放送されているラジオ番組。2017年4月に放送を開始した。(引用:wikipedia)

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問わず語りの神田伯山 2026年9月18日放送回の要約
■ この回の聴きどころ
- 池波志乃さんとの対談の資料探しで神保町の古書店へ。出てきたのは1万4000円のヌード写真集だった話
- 中尾彬さんと先代・金原亭馬生師匠が、結婚のあいさつで同時に絵を描き合ったという粋な逸話
- 三番弟子・神田若之丞さんが地元・岩手の凱旋高座で「お帰り!」と迎えられ、別人のように輝いた話
■ 番組の基本情報
・放送:TBSラジオ 金曜 21:30〜
・出演:神田伯山
・聴き逃し配信:radikoのタイムフリーで9月25日まで(エリアフリーはプレミアム会員)
(目次)
■ 内容のまとめ
オープニング:『神田伯山の演芸図鑑』2回目の収録と「守りの人選」
伯山さんは、目の前にいる笑い屋の重藤くんを紹介してから、NHKの早朝番組『神田伯山の演芸図鑑』で2回目の案内役を務めた収録の話を始めました。1回目は中村獅童さん、講談師の後輩・一龍斎貞鏡さん、刀鍛冶の川崎晶平さんと充実した顔ぶれでしたが、アーティストの開発好明さんがモグラの着ぐるみで登場した回は、視聴率が大きく落ちてしまったそうです。
朝5時台に見ている年配の視聴者は、知らない人が出るとすぐチャンネルを変えてしまう、と伯山さんは笑いまじりに分析。そこで2回目は「守りの人選」として、古今亭志ん生師匠の孫で、先代・金原亭馬生師匠の娘でもある女優の池波志乃さんをゲストに迎えることにしたそうです。
「子供の頃、私にとってラジオは、大人の本音が聞ける場所でした。」(伯山さん)
古書店めぐり:「伯山さんですか?」が止まらない店主と、1万4000円の写真集
事前に資料を読んでおこうと、伯山さんは池波さんが夫の中尾彬さんと共著で出した『終活夫婦』を探しに、神保町の古書店へ向かいました。1軒目の店主は伯山さんのファンで、何度も「伯山さんですか?」と確かめるばかり。結局、本は置いていませんでした。
紹介された2軒目では、30代くらいの店員さんが奥からすっと1冊を持ってきてくれました。それが写真家のマイク岡田さんが撮影した、池波さんのヌード写真集。値段は1万4000円です。買わずに対談に臨むより失礼がないかもしれない、と迷った末に購入しましたが、中身は撮影に至るまでのカメラマン側の熱い思いが中心で、朝の番組の資料としてはまったく使えなかったと嘆いていました。
先代・馬生師匠に思い入れがあるだけに、その娘さんの写真を見てしまっていいのか、という複雑な気持ちも打ち明けています。
『終活夫婦』:前日に届いた本と、中尾彬さんの「ねじねじ」500本
お目当ての『終活夫婦』は、通販で頼んだものが収録の前日にぎりぎり届きました。子どものいない夫婦として、お墓のことなどを早い時期から決めていた2人の本で、読んでみるととても面白かったそうです。
なかでも伯山さんが食いついたのは、中尾さんがネクタイ代わりに使っていた「ねじねじ」の話。最終的に500本ほどもあったのに、実際に使っていたのはほんの数本で、残りは親しい人にあげていたと知り、思わずツッコミを入れていました。
収録当日:着物姿の美しい所作と、孫に3日で飽きた志ん生師匠
楽屋で初めてあいさつしたとき、伯山さんは写真集のことが頭をよぎって、妙な照れが出てしまったそうです。本番では、着物姿の池波さんが立て膝からすっとふすまを開けて登場。落語家一家に生まれ、子どものころから日本舞踊を習ってきた人ならではの品のよさに、すっかり見とれてしまったといいます。
祖父・志ん生師匠との思い出も聞けました。初孫の池波さんをかわいがったのは最初の3日ほどで、4日目にはもう飽きて会いに来なくなったとか。子どもながらに「孫に飽きたんだな」と分かったという話に、伯山さんは大笑いしていました。
馴れ初め:中尾彬さんと馬生師匠が同時に描いた2枚の絵
当時「天下のプレイボーイ」として知られた中尾さんに誘われたとき、池波さんは警戒しながらも出かけてみたそうです。行った先の料理屋には、池波さんが大好きなベテランの芸者さんがいて、その人に見てもらえば間違いないと思え、気楽に話せたといいます。中尾さんのことを「あいつ」と呼ぶ池波さんの言い方にも、伯山さんはしびれていました。
さらに、結婚のあいさつに来た中尾さんに、馬生師匠が「君、絵を描くんだって?」と声をかけ、2人で同時に絵を描き始めたという逸話も紹介されました。中尾さんが描いたのはでんでん太鼓、馬生師匠が描いたのは男女に犬がほえかかる絵。それでも最後は「いい絵を描くね」と認めてもらえたそうで、伯山さんは芸術家らしい出会いだと感心していました。54歳ごろで亡くなった馬生師匠と中尾さんは、短い期間ながら一緒にお酒を飲む仲になったそうです。
寄席に行かない理由:客席の夫妻をいじり倒した落語家たち
中尾さんが亡くなった今、どんなときに幸せを感じるかと尋ねると、池波さんの答えは「歌舞伎に行っているとき」。落語一家に生まれたのに寄席には行かないのかと聞くと、中尾さんと寄席に行ったとき、出てくる落語家が次々に客席の夫妻をいじるので、すっかり嫌になってしまったと明かしました。
これには伯山さんも、小さな笑いのために何をしているんだと同業者に本気で怒り、相手に分かる程度にさりげなくいじる歌舞伎役者の粋なやり方と比べていました。
収録後、写真集にサインをもらおうと持っていったものの、さすがに言い出せなかったそうです。ほかに北方謙三さんもゲストで来てくれたこと、11月ごろにはもう一人の豪華ゲストの回が放送予定であることも伝えました。
三番弟子・神田若之丞さん:ラップとアメフトと銭湯、そして異常なほどの岩手愛
CM明けは、ラジオではあまり話してこなかった三番弟子・神田若之丞さんの話です。入門して2〜3か月のころに印象を聞いたら「武士じゃないと思いました」と返されて以来、ほとんど話題にしてこなかったそうです。
仲のいい二番弟子・青之丞さんによると、若之丞さんが好きなのはラップとアメフトと銭湯、最近はタコスにもはまっているとのこと。そして何より、岩手出身で、東北全体を愛する気持ちが人一倍強いのだといいます。
寿司屋の一件:「牛丼の方がお好きでは?」に素直に「はい!」
22歳の若之丞さんを、伯山さんの行きつけのお寿司屋さんに連れて行ったときのこと。大将の「本当は牛丼の方がお好きなんじゃないですか?」という冗談に、若之丞さんは素直に「はい!」と答えてしまい、その場の空気が固まりました。
ところが、話すうちに大将の言葉から会津の出身だと見抜くと、若之丞さんの目つきが一変。岩手と会津の東北トークで一気に盛り上がり、さっきの失言を帳消しにしてしまったそうです。伯山さんは、曽我兄弟が仇の工藤祐経に出会ったような顔だったと講談師らしくたとえ、こんな挽回のしかたもあるのかと感心していました。
岩手・水沢の凱旋高座:「お帰り!」の声と4割増しの面白さ
伯山さんは若之丞さんを連れて、岩手県奥州市水沢の文化会館「Zホール」での会へ。ふだん10〜15分の持ち時間を、故郷だからと20分ほどに伸ばし、見に来るご両親にも成長した姿を見せるよう声をかけました。楽屋のケータリングにあった岩手のメーカーのチョコ入りのお菓子を伯山さんがほめると、若之丞さんはまるで自分がほめられたかのように得意げだったそうです。
高座に上がるなり、客席からは「お帰り!」「若ちゃんお帰り!」の声が飛びました。大谷翔平選手の話を交えたご当地のまくらに小噺、そして仙台出身の力士・谷風梶之助の話と、岩手だと4割増しで面白くなっていたと伯山さんは笑います。
左甚五郎の鯉:岩手の水につけると光り輝く弟子
伯山さんは、名工・左甚五郎の本物と偽物が鯉の彫り物で腕を競う話を引き合いに出しました。陸の上では偽物の方が上手に見えても、水につけて初めて本物の真価が分かる。若之丞さんにとってのその水が、岩手なのだというのです。
「残念ながら東京だと、まな板の上の鯉なんだよ。」(伯山さん)
終演後、伯山さんは、若之丞さんがもうすぐ二ツ目になることを伝え、これからの応援をお願いしたそうです。まるで親のようなあいさつだったと、自分で振り返っていました。
エンディング:前座修業の最後の1年でぐんと伸びる弟子たち
講談の世界の前座修業は4年半ほど続き、3年目あたりで心が疲れてしまう厳しい期間だそうです。それでも梅之丞さん、青之丞さん、若之丞さんを見ていると、残り1年のところでぐっと伸びるのが面白いと伯山さんは話しました。
「一番辛い時にこそ、ひょっとしたら人は一番伸びるのかもしれないなーっていう。」(伯山さん)
東京に戻ったら元どおりかもしれないので、釈台の横にあのお菓子をお守りとして置いておけばいい、と笑わせて締めくくりました。
伯山さんの語り口の面白さは、ぜひradikoのタイムフリーで聴いてみてください。
■ ひとことメモ
前半は、資料探しのつもりが思わぬ買い物になった古書店の話から、池波志乃さんご夫婦や馬生師匠の粋な逸話へとつながっていく流れが見事でした。
寄席に行かない理由を聞いて、同業の落語家に本気で怒る伯山さんの姿も、この番組らしい本音の部分だと思います。
後半の若之丞さんの話は、弟子をいじりながらも成長を心から喜んでいる師匠の顔が見えて、温かい気持ちになりました。
講談や落語にくわしくない人でも、エピソードトークとして気軽に楽しめる回です。
■ この回が好きな人におすすめ
・問わず語りの神田伯山 2026年10月16日放送回の要約(弟子の若之丞さんが「本当は一龍斎貞水先生に入りたかった」と告白する回)
・問わず語りの神田伯山 2026年10月2日放送回の要約(二ツ目に昇進した弟子・青之丞さんの話と、真打昇進披露パーティーの回)

