問わず語りの神田伯山 2026年10月16日放送回
番組概要
『問わず語りの神田伯山』は、TBSラジオで毎週金曜日の21:30 – 22:00(JST)に放送されているラジオ番組。2017年4月に放送を開始した。(引用:wikipedia)

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問わず語りの神田伯山 2026年10月16日放送回の要約
■ この回の聴きどころ
- 野末陳平さん(94歳)・高田文夫さん(78歳)・立川志らくさんとの3時間ランチと、94歳と78歳の支払いの取り合い
- 八代目林家正蔵の日記から分かった木久扇さんの優秀さと、伯山さん自身がつける「演芸界デスノート」
- 大食いの弟子・若之丞さんにうなぎまでごちそうしたのに、「本当は一龍斎貞水先生に入りたかった」とまさかの告白
■ 番組の基本情報
・放送:TBSラジオ 金曜 21:30〜
・出演:神田伯山
・聴き逃し配信:radikoのタイムフリーで10月23日まで(エリアフリーはプレミアム会員)
(目次)
■ 内容のまとめ
オープニング:大先輩3人と過ごした「最高に楽しくてムダな」3時間ランチ
伯山さんは、野末陳平さん(94歳)、高田文夫さん(78歳)、立川志らくさん(53歳)とランチをしてきたと報告しました。3時間ほど話したものの、ラジオでは一切話せないことばかりだったそうです。それでも、最高に楽しくてムダな時間だったと振り返ってから番組が始まりました。
笑い屋はお休み:重藤さんはエジプトへ? 代打は作家のサトケンさん
この日はいつもの笑い屋・重藤さんがお休みで、作家のサトケンさんが代わりに笑ってくれました。重藤さんはエジプトに行ったと聞いたものの、ディレクターの戸波さんやサトケンさんに確かめると、エジプト行きは来月らしく、今日なぜ休みなのかは誰も知らないというオチに。食道を痛めたかと思えばエジプトへ行くという自由ぶりに、伯山さんはあきれながらも笑っていました。
ホテルのレストランで:高田文夫さんのうわさ話と、94歳と78歳の支払い争い
ランチの場所は、個室ですらないホテル1階のふつうのレストラン。1時間半ほどたってから合流した高田さんは、聞けばチャールズ皇太子と同い年だそうです。まわりに聞こえる場所なのに、裏の取れていない芸能界のうわさ話を「内緒だぞ」と言いながら次々に披露していたといいます。高田さんが使う昭和らしい言葉に、伯山さんは時代の移り変わりも感じたそうです。
会計の場面では、94歳の野末さんが「僕が払うんだ」と怒り出し、78歳の高田さんとどちらが払うかでもめる一幕もありました。くだらなくて最高に楽しい時間だったと、伯山さんはうれしそうに話していました。
高田文夫さんの新刊:戦後80年の芸能史をまとめた600ページの新書
まじめな話も出ました。高田さんは今、戦後80年の芸能の歴史を詰めこんだ本を書いていて、12月に新書で発売する予定だそうです。ふつうの新書が200ページほどのところ、600ページにもなるとのこと。伯山さんのことも「講談は伯山によって救われた」というように書いてあるから宣伝しろと言われ、伯山さんは「変な取引」と笑っていました。
古川ロッパやエノケンの時代から今までを知っているのは自分しかいない、という高田さんの使命感も感じたそうです。いっぽう「80年の歴史」という話を聞いていた野末さんは、そこから14年もはみ出した94歳。喜劇王・清水金一(シミキン)に弟子入りしようとした話まで飛び出しました。
八代目林家正蔵の日記:木久扇さんは本当は優秀だった
話は「日記」の面白さに移ります。高田さんは日記を書いていないそうですが、伯山さんがちょうど読んでいたのが『八代目林家正蔵昭和日記』です。今の九代目正蔵師匠の先代にあたる八代目は、落語界のナンバーワンではなく3、4番手くらいの立場だったからこそ、上への嫉妬もにじんでいて全体的に面白いのだと伯山さんは語ります。
日記には、1961年3月に三代目三木助師匠の弟子だった木久男さんを門下に迎え、「林家木久蔵」と名乗らせたことが書かれています。その後も、まじめでよく働く、ほかの二ツ目より度胸があるなどとたびたびほめられていて、『笑点』でおなじみの木久扇師匠が実はとても優秀だったことが分かるそうです。名人・三代目三木助師匠が落語協会に移ってくるときには、自分の立場がおびやかされる不安が行間から読み取れるのも生々しいと話していました。
古川ロッパと立川談志さんの日記:日記どうしがリレーのようにつながる
喜劇王・古川ロッパの日記は、戦前・戦中・戦後・晩年と分けて出版されていて、資料としての価値も高いものです。恵まれなかった晩年には、うらみや嫉妬まで書かれていて、「日記があるから生きていられる」という言葉も残っているそうです。
ロッパは自分の死を書くことはできませんが、八代目正蔵師匠の日記には「古川ロッパ死す」と記されています。日記どうしがリレーのようにつながっていくことに、伯山さんはぞくぞくしたといいます。16歳で演芸界に入った立川談志さんの『談志17歳の日記』も、初恋のことなどがいい文章で書かれていて、たまらないと話しました。
伯山さんの日記は「演芸界デスノート」:弟子たちの日記事情
実は伯山さん自身もずっと日記をつけていて、「演芸界デスノート」と呼ばれているそうです。書いてはいけないことがたくさん書いてあり、どこにも発表するつもりはないものの、奥さんからは「死んだら売り出す」と言われていて、全部燃やしてから死のうと思っていると笑わせました。
弟子たちにも「ネタになるから」と日記をすすめています。4番弟子の豊松さん【要確認:名前の表記】は、伯山さんが飲み物を飲んだ様子まで細かく書いていて、友だちに「もはや日記じゃない」と言われたそうです。いっぽう2番弟子の青之丞さんは、少し前まで1行だけだったのが最近は3行に増え、「進歩している」とのこと。伯山さんは、このラジオもある意味で自分の「音声日記」のようなものだとも話していました。
大食いの弟子・若之丞さん:弁当3個に山賊焼き、鹿肉のそばまで
43歳になってあまり食べられなくなってきた伯山さんが、最近おもしろくてしょうがないのが、22歳の弟子・若之丞さんの食べっぷりです。長野では、弁当3個に郷土料理の山賊焼き、牛乳パン、シャインマスカットとぶどう、帰りには鹿肉のそばまで平らげたそうです。前座ならふつうは一番安いものを頼むところ、そばでは一番高いものを頼み、味を聞くと「なんだか分からなかった」との返事でした。
どうしてそんなに食べられるのかと聞くと、返ってきたのがこの答えです。
「いや、あの僕は食べ物の食べ方を知ってるんです」(伯山さんが紹介した若之丞さんの言葉)
講談師が言うセリフとは思えないと、伯山さんはあきれつつも感心していました。
清水の落語まつり:昇太会長にたのまれた大トリと、みんなが新幹線に乗り遅れた理由
先日、落語芸術協会の春風亭昇太会長の地元・静岡の清水で、毎年10月ごろに開かれている落語まつりに出演しました。会場は1500人が入るマリナート。出演は昇太師匠、小遊三師匠、雷門五郎さん、活動写真弁士の坂本頼光さん、そして伯山さんで、トリを頼まれた伯山さんは一度断ったものの、昇太師匠に「頼む」と言われて引き受けたそうです。
楽屋では、かばん持ちとしてついてきた若之丞さんが伯山さんの部屋で3時間ほど稽古を続け、伯山さんは受験生のお母さんのようにみかんやお茶を差し入れていたそうです。本番では『名月若松城』を読み、持ち時間30分のところを45〜50分ほどに。お客さんの反応もSNSの感想も上々でしたが、そのせいで頼光さんや五郎さんたちが予定の新幹線に間に合わず、ひかりではなくこだまで帰ることになってしまったそうです。終わったあと昇太会長に「やりづらかったかな」と気づかわれ、ウケていたのにと不満そうな伯山さんでした。
ごほうびのうなぎ:「今まで食べた中で一番おいしい」
東京に着いてからも、お腹をすかせた様子の若之丞さんのために、伯山さんはある師匠が大好きなうなぎ屋さんへ連れていき、一番大きいうなぎを注文しました。写真を撮ろうとすると顔をひきつらせていた若之丞さんも、食べると「今まで食べたうなぎの中で一番おいしい」と大満足だったそうです。
頼んだ刺身が最後まで来ず、お店の人が謝りに来たうえで「ラジオで言わないでください」と言われたというオチもつきました。前日には、長野でもらった松茸まで若之丞さんにあげていたそうです。
まさかの告白:「本当は一龍斎貞水先生に入りたかった」
ところが翌日、伯山さんを応援してくれる常連さんが集まる会で、若之丞さんが『出世の春駒』を読む中、急に告白を始めます。講談師になれなかったら、地元・岩手のみちのくプロレスでザ・グレート・サスケさんの弟子になるつもりだったという話までは良かったのですが、本当は学校寄席で出会った一龍斎貞水先生に入門したかったけれど、亡くなってしまったので「2番手」の伯山さんのところへ来た、と言ってしまったのです。
会場は静まり返り、終わったあと伯山さんは、うそでもいいから師匠のところに来て正解だったと言わないとお客さんが悲しむ、と言い聞かせたそうです。
「俺を2番手って言っちゃいけないんだよ、公の場で。」(伯山さん)
弁当にうなぎ、松茸までごちそうしたのに「2番手」と言われたと嘆きつつも、若いうちはそんなものかなと笑っていました。
エンディング:NHK『神田伯山の演芸図鑑』の対談告知と、弟子への「片思い」
CM明けには、10月18日(日)朝5時20分からのNHK『神田伯山の演芸図鑑』で、池上彰さんとの対談が2週にわたって放送されると告知しました。そのあとは北方謙三さん、ドキュメンタリー監督の山崎エマさんとの対談が続き、6週にわたる予定だそうです。
「最近なんか弟子へ、俺片思いなんじゃないかなってつくづく思うんだよね。」(伯山さん)
弟子たちはたぶん見ないだろうから皆さんが頼り、とぼやいた伯山さん。若之丞さんの日記は食べたものがひらがなで書いてあるだけでは、1番弟子の梅之丞さんは出版を見こして書いていそう、と想像をふくらませつつ、見せない前提で書くからこそ日記には価値があると、弟子に日記を書かせてよかったと締めくくりました。
続きのやりとりは、ぜひradikoのタイムフリーで聴いてみてください。
■ ひとことメモ
前の回で体調を心配されていた笑い屋の重藤さんが、今回はエジプト行きのうわさとともにお休みという流れも、この番組らしいところです。
前半の日記の話は、八代目正蔵師匠や古川ロッパの日記から芸人さんの本音が見えてくる内容で、演芸の歴史が好きな人にはたまらないと思います。
後半は若之丞さんの大食いぶりと「2番手」発言に振り回される伯山さんがおかしく、弟子をかわいがる師匠としての一面がよく見える回でした。
講談にくわしくなくても、師匠と弟子のやりとりだけで十分に楽しめます。
■ この回が好きな人におすすめ
・問わず語りの神田伯山 2026年10月2日放送回の要約(同じく高田文夫さんや志らく師匠とのやりとりが出る、真打昇進パーティーの回)
・問わず語りの神田伯山 2026年9月18日放送回の要約(三番弟子・若之丞さんが岩手の凱旋高座で別人のように輝いた回)

