otonanoラジオ 2026年9月14日放送回
番組概要
この番組では、いま、会って話を聞いてみたいミュージシャンをゲストに迎えたり、いま、紹介したい、ちょっと昔の音楽をかけたりしながら、DJ萩原健太が、リスナーとしてこれまでどのように音楽を聴いてきたのか?感じてきたのか?そんなリスナー目線で、音楽に隠されたストーリーに迫っていく番組です。(引用:radiko)

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otonanoラジオ 2026年9月14日放送回の要約
■ この回の聴きどころ
- CM用の30秒のサビから生まれた「A Perfect Sky」と、デビュー10年目で女性としての自分を受け入れられたという話
- ゲーム『テイルズ オブ ヴェスペリア』の主題歌「鐘を鳴らして」で、日本語の曲を英語に書き換えた初めての挑戦
- スマホの光で客席に星空を作り、客席を歩いてハイタッチした「流れ星」のライブの思い出
■ 番組の基本情報
・放送:FMヨコハマ 月曜 深夜0:00〜
・出演:萩原健太/ゲスト:BONNIE PINK
・聴き逃し配信:radikoのタイムフリーで9月21日まで(エリアフリーはプレミアム会員)
(目次)
■ 内容のまとめ
オープニング:先週に続いてBONNIE PINKさん、ベスト盤『GROW』のタイトルに込めた思い
先週に続いて、ゲストはBONNIE PINKさんです。メジャーデビュー30周年の締めくくりとして、いくつかのレコード会社の枠をこえて選曲したCD2枚組のオールタイムベスト『GROW』について、今週も話を聞きました。
タイトルの「Grow」は、アルバム『Dear Diary』に入っている曲の名前でもあります。成長や、何かを育むという意味がある言葉なので、30年で少しは成長できたかなという思いと、曲は聴く人の中でさらに育っていくものなので、このベスト盤が聴く人の中でまた育っていってほしいという願いを込めたそうです。
♪ Grow/BONNIE PINK
30年の成長:ピアノからギターへ、萩原さんに教わった「いとしのレイラ」
成長を感じたかと聞かれたBONNIE PINKさんは、最初はピアノでしか曲を書いていなかったけれど、途中でギターを少し覚え、軽快な曲はギターの方が書きやすいと気づいたことを挙げました。萩原さんが、30年近く前に一緒にテレビ番組をしていたころはギターが弾けなかったと言うと、そのとき萩原さんに「いとしのレイラ」あたりを教わったことを覚えていると返します。番組の中でニルヴァーナを歌うなど、2人でコラボもしていたそうです。
BONNIE PINKさんは、アマチュアとしての経験がほとんどないままデビューし、楽器もろくに弾けず、ステージの経験もなかったので、当時はすべてが学びだったと振り返りました。プリンスのようなギターヒーローに憧れはあったものの、自分が極めたいのは歌でした。
それでもレコーディングでは楽器のことを知っておく必要があり、スウェーデンのトーレ・ヨハンソンさんのもとで、マイクの立て方などを周りを見ながら学んだそうです。知識が少しずつ追いついてくると、アレンジャーやプロデューサーに、どんな音にしたいかを説明しやすくなったと話しました。
「A Perfect Sky」:日焼け止めのCMのための30秒のサビから生まれた夏の定番曲
続いては、BONNIE PINKさんの名前を一気に広めた曲です。
♪ A Perfect Sky/BONNIE PINK
自分の中のポップが好きな部分をいちばん大きく広げた曲だそうです。日焼け止めのCMのために書き下ろしたもので、先にCMの映像があり、最大30秒に言いたいことを収めるために、最初はサビだけを書きました。それで役目は終わったと思っていたら、周りから1曲にした方がいいという声が上がり、前後を作ったそうです。
CMに出ていたエビちゃん(蛯原友里さん)のブームもあって、たくさんの人に覚えてもらい、毎年夏になると聴いてもらえる曲になったのがうれしかったと話しました。それまではむしろ冬っぽいイメージがあったかもしれないといいます。
陽のBONNIE PINK:その後はあえて「裏」へ、ソングライターとしての確立
それまではダークな面が前に出ていたのが、この曲で一気に陽のBONNIE PINKが出たそうです。ただ、それをずっと続けるのは自分の中で消化しきれないと思い、この後のアルバムではあえて裏の方に振ることを意識したと話しました。天邪鬼なだけかもしれない、とも付け加えています。
萩原さんは、この曲でパフォーマーとは別の、ソングライターとしてのBONNIE PINKさんが確立したように感じたそうです。BONNIE PINKさんも、お題をもらって曲を書くことはそれまであまりなく、女の子が元気をもらえる夏の曲というはっきりしたテーマで集中して書いたと説明しました。テーマがないと自分が出すぎてしまうので慎重になるけれど、テーマが決まっている方が実は書きやすいと感じたそうです。
萩原さんは、シンガーソングライターは自分の内面を打ち明けるものと思われがちだが、キャロル・キング、ジェームス・テイラー、ポール・サイモンのように長く生き残っている人たちは違うと話します。
「この人達ってソングライターとしてプロなんだよね。」(萩原さん)
内面の告白だけではもたないので、職人としていい曲が書けることが大事で、いいタイミングでこの曲が来たのではないかと話していました。
10年目の変化:男物の服から、「私とあなた」が書けるようになるまで
BONNIE PINKさんによると、ちょうどデビュー10年目くらいで、若すぎたら書けなかったかもしれないそうです。自立した女性の強さと、夏に向かって気持ちが高まっていく感じを盛り込んだのが、そのときの年齢に合っていたのではと話しました。
それまでは自分の女性らしさを表に出したくないタイプで、萩原さんと仕事をしていたころもメンズの服を着ていたそうです。10年ほどたってやっと自分が一人の女性だと受け入れられるようになり、女心を歌うことへの抵抗もなくなっていきました。デビューアルバムのころは「君と僕」で書いた歌詞が多かったのが、少しずつ「私、あなた」で書けるようになったといいます。
「成長の成果が『A Perfect Sky』に結実してます。」(BONNIE PINKさん)
「鐘を鳴らして」:『テイルズ オブ ヴェスペリア』の主題歌と、英語版への挑戦
「A Perfect Sky」がヒットしてから、シングルもいろいろ受け入れられるようになりました。その何枚か後のシングルを流しました。
♪ 鐘を鳴らして/BONNIE PINK
ゲームの「テイルズ オブ」シリーズの大作『テイルズ オブ ヴェスペリア』のテーマソングとして書き下ろした曲です。きまじめな性格なので、キャラクターなどの資料をとことん読み込み、キャラクターが乗り移るような感じで書いたそうです。
この曲は最初から英語版も書いてほしいというリクエストがありました。それまで海外版は別のシンガーが担当することがほとんどでしたが、世界共通の曲にしたいということで、英語も書ける人として声がかかったそうです。日本語でフルに書いたものを英語に書き換えるのは初めてで、英語と日本語ではノリが違うためメロディーも全く同じにはできず、意味も少しずつ変わりました。2つを聴いて完結するような形でもいいかなと思いながら、集中して書いたと話しました。
萩原さんがこういうサウンドで来るのかとかっこよく感じたと言うと、BONNIE PINKさんは、自分の芯にはロックがあると答えています。
「やっぱロックが好きというか。根が結構ロックなんですね。」(BONNIE PINKさん)
「流れ星」:スマホの光の星空と、客席を歩いてハイタッチした昨年のライブ
萩原さんが好きな曲として挙げたのが「流れ星」です。昨年9月のライブでは、客席のみなさんにスマホのライトを照らしてもらい、夜の星空のような景色を作ったそうです。ペンライトでキラキラした客席を見るのが好きなものの、自分のワンマンではやったことがなかったので、スマホで代わりにやってみたといいます。
BONNIE PINKさんは自分が流れ星になったつもりで客席に降りて歩き、気づけば両側のファンとずっとハイタッチしながら歌っていたそうです。ファンの顔を近くで見る機会はあまりないので、じんとくる瞬間だったと話しました。この様子は『GROW』初回盤のブルーレイに収められています。
萩原さんが、ディナーショーのような流行歌手っぽさでいいと言うと、ふだんは声が聴こえにくくなるので客席にはあまり降りないけれど、ありがとうの気持ちを込めてやったと答えていました。
♪ 流れ星/BONNIE PINK
トーレ・マジック:歌声を耳元に近づけるミックスと、スウェーデンからの視点
「流れ星」もトーレさんとの曲です。BONNIE PINKさんは、トーレさんにミックスだけをお願いした曲も多く、女性シンガーの声を耳元に近づけてくれる「トーレマジック」があると話しました。音量が大きいということではなく、奥行きや立体感がありながら、あくまで声が主役になるようにミックスしてくれる、めずらしいエンジニアだと聴き直して改めて思ったそうです。
萩原さんは、スウェーデンという場所も大きく、はやりのポップスの競争から少し距離を置いて物事を見られているのではと話します。BONNIE PINKさんも、日本も欧米に属さない同じような立ち位置だと思っていたそうです。自分から見たアメリカやイギリスと、スウェーデンから見たそれが重なる部分があり、どこを目指して、どこに着地したいのかといった深い話をトーレさんとよくしたと振り返りました。
リリースとライブ情報:『GROW』はブルーレイを足すと57曲、アナログ盤は「飾れる」
『GROW』はCDで38曲、初回盤のブルーレイを足すと57曲が入っています。10月28日にはシングル曲を中心にしたアナログ盤も出て、CDに入っていない曲も収録されます。BONNIE PINKさんは、アナログは飾れるのがいいと話していました。
9月21日には東京のZepp DiverCityで、30周年を記念したライブ「Groove Kitchen」があります。BONNIE PINKさんは、グルーヴィーにがんばると意気込みました。
『Even So』再現ライブ:並べかえると「Seven」になる7枚目のアルバム
11月23日にはビルボードライブ横浜で、アルバム再現ツアーの第3弾として『Even So』を取り上げます。7枚目のアルバムで、タイトルの文字を並べかえると「Seven」になるそうです。Oが1つ多いのは見ないでください、とのことです。ファンにも好きな人が多いアルバムで、満を持しての再現です。
ビルボードでは一昨年、昨年もアルバム再現をしていて、アルバムの曲順どおりに、CDの音に近づけつつ寄せすぎないようにする緊張感も楽しんでいるそうです。萩原さんが、ブライアン・ウィルソンさんの『ペット・サウンズ』再現なども見てきたが、MCをどうするのか気になると聞くと、本当はMCをはさみたくないけれど、ずっと歌い続けるのもしんどいので、あまりしゃべらず、思い出話を少しはさみながらやるつもりだと答えました。
エンディング:「3年ごとに会いたい」と2週の対談を締めくくり、来週はジョージ・ハリスン特集
最新情報はBONNIE PINKさんのオフィシャルサイトで確認してほしいと案内し、2週にわたる対談が終わりました。萩原さんがまた来てねと言うと、BONNIE PINKさんは3年ごとにまた会いたいと答え、萩原さんに何かやってくれないとと言われて、リリースなどをがんばると約束していました。
番組のホームページでは、トークを受けて萩原さんが選んだプレイリストも公開しています。来週は、10月にカタログ13タイトルがリマスターされて再発されるジョージ・ハリスンさんの特集です。
BONNIE PINKさんの曲作りの話の続きは、ぜひradikoのタイムフリーで聴いてみてください。
■ ひとことメモ
2週目は、ベスト盤のタイトル『GROW』にちなんで、「成長」がテーマのように話が進んだ回でした。
メンズの服を着ていたころから、10年かけて女性としての自分を受け入れたという話を聞くと、「A Perfect Sky」の聞こえ方が少し変わります。
トーレ・ヨハンソンさんのミックスの話や、スウェーデンと日本の距離感の話は、萩原さんとの対談ならではの深さでした。
先週の回とあわせて聴くと、BONNIE PINKさんの30年の歩みがよく分かると思います。
■ この回が好きな人におすすめ
・otonanoラジオ 2026年9月7日放送回の要約(同じくBONNIE PINKさんがゲストで、30年変わらない曲作りを語る前の週の回)
・otonanoラジオ 2026年10月19日放送回の要約(EPOさんが、「これだけじゃない私」と戦っていた『FREE STYLE』のころをふり返る回)

